腎臓の機能が低下し続けてしまうと、体の中の老廃物を浄化することが困難な状況に陥ってしまいます。そのことにより本来腎臓が浄化するはずの老廃物が蓄積し続けてしまい、尿毒症状になってしまうのです。尿毒症状は倦怠感や食欲低下、頭痛なと様々な症状を引き起こしてしまい、体液のバランスが取れなくなります。
バランスが取れなくなってしまうとむくみ、心不全や肺水腫などにより呼吸をすることが苦しくなり、腎臓の機能の回復は困難な状況と判断され、人工透析を選択せざるを得なくなるのです。また人工透析は腎機能を改善する治療法ではなく、腎臓の代わりに血液をろ過し浄化する方法であり生涯続けることが必要となります。このように、人工透析は生涯にわたり続けなければならない行為であり、週三回ほどの通院と一回あたり四時間ほど透析をする必要があります。
そのため、看護師は患者の体のケアだけではなく、心の変化にも注視しケアすることが求められます。患者の苦痛やめげそうな気持ちに寄り添ったり、人工透析を行う中でセルフケアが上手く出来るように指導を行う、また人工透析は生活の一部だと思ってもらえるような環境整備は大切です。看護師は透析を行うためにバイタルチェックや針を刺して透析回路に接続、血液浄化を行い終了時には針を抜き止血を行う一連の作業を行います。その他にも日常生活で注意しなければならない食事制限や活動制限などが守られているか、チェックや指導も大切な役割です。