看護師が人工透析に関わる職場は、夜勤や急患がほとんど無く定刻に退勤できるうえ、患者が重篤化し長時間束縛される可能性も低いでしょう。また、人工透析を専門とするクリニックで働く看護師の給与は比較的高いと言われています。このため、人工透析クリニックは、看護師にとって人気がある職場だと言えるでしょう。
透析クリニックの看護師の業務は、まず透析患者に簡単な問診をして体調を把握し、血圧や体温などの生体兆候を調べるバイタルチェックを行うことから始まります。次に、体内水分量と体重などから算出した除水量を透析機器に入力して透析を準備します。それから、穿刺をして透析を開始し、透析中も患者の容態に変化がないか観察することになります。
穿刺とは、血液を濾過するため患者の血管に針を刺すことです。人工透析クリニックで働く看護師には、穿刺とコミュニケーション能力のスキルが欠かせません。静脈注射の際に血管を浮き上がらせて針を刺すことが苦手な看護師もいますが、人工透析の場合には何回も透析を繰り返した結果、患者の血管が太く浮き上がっているケースが多く、穿刺もさほど難しくありません。一方、コミュニケーション能力については、透析慣れした患者に対して不満の生じないよう適切な対応をするスキルが求められます。頻繁に透析クリニックに通って人工透析を受けている患者にとって、看護師との意思疎通が図れるかどうかは重要な問題だと言えるでしょう。